「人類の孤独を解消する」を理念とし、テクノロジーで移動困難者のはたらく選択肢を豊かにするサービスを提供しているオリィ研究所 (本社:東京都中央区、代表取締役 吉藤 健太朗・笹山 正浩、以下「オリィ研究所」)は、7月24日の「テレワーク・デイ」を機に、障害者のテレワークに関する実態調査を実施しました。オリィ研究所は、テレワークに特化した障害がある方のための人材紹介サービス「FLEMME」を提供しており、よりよい外出困難者の就労のかたちを模索すべく、今回の調査を行いました。
調査の結果、障害者のテレワークにおいて、下記3つの特徴的なポイントが浮かび上がってきました。
場所の制約を受けない就業選択肢
「出社範囲に応募できる求人がないことが解決できる」や、「居住エリア以外の就職転職の選択肢が得られる」といった“場所の制約をうけない就業選択肢”について、半数以上の回答者がメリットとして挙げている
特に1都3県を除く地域ではその傾向が顕著である
通勤の負荷軽減 業務への集中しやすさ
「テレワーク就労をしてみてわかった、これまで気づかなかった点」については、“通勤における体力消耗 ストレス負荷が少ない”や、“テレワークでは出社よりも業務に集中できる点” などが多く挙げられている
コミュニケーションのメリット・デメリット
テレワークにおけるコミュニケーション面に関しては、メリットとして「コミュニケーションのストレスやトラブルが減る」を選んだ回答者が50%、デメリットとし て「コミュニケーションがとりにくい」を選んだ回答者が41%と、メリットデメリット双方感じている結果となった
自由回答より、テレワークにおいては“言語化や自発的な発信、コミュニケーションの実施 ” が重要であることがわかった
調査の概要
調査期間: 2024年6月29日
調査対象:テレワークに特化した障害がある方のための人材紹介サービス「FLEMEE」サービス登録者
調査方法: WEBアンケート
有効回答数 108件
調査の結果
FLEMEE登録者においては、何らかの形でテレワークでの就労を行っている回答者が過半数という結果になりました。
特に1都3県を除く地域においては、「出社範囲に応募できる求人がないことが解決できる」や、「居住エリア以外の就職・転職の選択肢が得られる」といった”場所の制約を受けない就業選択肢”をメリットと選んだ回答者が7割を超えました。
テレワーク就労のメリットに関する自由回答抜粋
障害により、 通勤だけでなく周りに人がいる環境自体が強いストレスになるため、 自宅で勤務できること自体が合理的配慮になる。
身支度や通勤の時間がカットできて、 自分の自由になる時間が圧倒的に増え、 家事や趣味に費やす時間がきちんと確保できるようになったこと。心身共に余裕のある生活が実現できて、きちんと自炊したり眠れるようになり、人間らしい生き方ができるようになりました。 幸福度、QOLがものすごく上がりました。もう出社して働くなんて無理! 一生在宅勤務をしたいです。そう思うほど人生が180°変わりました。
ストレスが減り、朝しんどくても休まず「出勤」して仕事をすることができること。 私でも仕事を続けられるという自信が持てるようになったこと。
通勤に割く体力、精神力、時間が必要ないため余力が生まれ安定して業務を続けられる。 業務に集中するための自己管理能力が高まる。自主的に効率よく働くために課題を見つけたり情報収集する力が付く。通勤圏外の仕事も視野に入れて選ぶことができる。
満員電車によるストレスがなく、体調を良好に保ちやすい。また、耳から入る情報を受け取ることが苦手だったり、短期記憶が弱い場合に、テキストベースで会話ができると後で見返して必要な情報を得ることができる。
テレワーク就労のデメリットに関する自由回答抜粋
顔を合わせたコミュニケーションは少なくなるため、自分の体調等は自ら言葉で表現しなくてはならない
気軽に聞きにくいので、全て言語化や自己発信が必要になる
自分から連絡できるタイプでないと、コミュニケーションがとりにくい (双方)。
対面で行えるコミュニケーションをオンラインでスムーズに行える工夫が必要になってくると思います。
意識的にも物理的にもスペース分けをしないと終業後も業務のことを引きずりがちになる。
テレワーク就労をしてみてわかった、 これまで気づかなかった点 自由回答抜粋
出社メインの時はよく体調不良で休むことが多かったが、テレワークにしてからそれが格段に減った。たまに出社して分かったことは、出勤すること自体ストレスに感じていることと、周りに必要以上に気を遣って常に気を張っていることから余計に疲れが取れずに体調不良になっているということ。
在宅時の仕事環境の大切さを感じました。仕事と生活をしっかり区別すると在宅でもだらけることなく勤務できています。
テレワークでもオンライン会議などを通じてコミュニケーションをとることができること。 障がいがあって働くことが難しいと思っていたが特に問題なく働くことが できるということ。
出社して仕事をしていた時はイヤーマフをするなどできる対策はしていても、どうしても周りの話し声が気になって集中できないことがありましたが、 転職してテレワークになってからは自分の家で仕事をするので集中できるようになりました。
特性に負担が少ないため、 思考や生活じたいに余裕が生まれること。テレワーク実施企業のため、自分と同じような働き方を希望する人が大勢いると知ることができ孤独な気持ちが和らいだこと。
体調が多少悪くても継続して問題なく働ける。感覚過敏やパニック、不安障害を抱えている人にとっては、命綱です。子育てや介護をされている方にとってもどれほど助かることかと思います。
出社勤務と違い、 相手の様子を目で確認することができないから、気付いてくれるのを待つのではなく自分から発信することが求められる。
通勤がない、様々な「伺い」がない(今挨拶すべきかとか誰かを捕まえるタイミングとか雑談に混ざるかとか)と仕事はこんなにコンパクトになるんだと思いまし た。逆にそういったものがないと全てにおいて自主的な管理や課題発見が必要で、とりあえず会社に着いたら何かあるという受け身でいられなくなりました。
フル出社の仕事のときは仕事をするだけで疲れてしまい何もできなかったが、テレワークによって通勤時間が減り、資格の勉強時間を増やすことができている。テレワークによって仕事により力を注げると気づいた。
今回の調査の結果、外出困難者である障害者にとって、テレワークによって“場所の制約をうけない就業選択肢”が得られることは、働くうえで重要なファクターであることが判明しました。 オリィ研究所のFLEMEEでは今後も、 外出困難者のはたらく選択肢を豊かにするためのサービスや取り組みに力を注いでまいります。